心地よい庭とくらす ⑥家ぎわの木
<気を付ければ快適に>
家のすぐ近くに木を植栽すると、「枝が当たって家が傷みませんか」とか「落ち葉で雨どいが詰まって大変ですか」といった質問を受けることがあります。
確かに台風のときなど、強い風にあおられた枝で建物に傷が付く心配が全くないわけではありません。
ただ、家の近くに植える高木は枝先が細い落葉樹を選びます。さらに、建物という大きく重たい存在から離れていく、押されて離れるというイメージで少し傾けて植えれば、幹はだんだん建物から離れて成長します。建物に近づいてくる枝は、毎年、剪定(せんてい)の際に気を付けて落しておけば大きな傷が付くことはまずありえません。
小さなすり傷でも気になるという方には、少し向かない庭の形かもしれませんが、私は多少傷が付いたとしても、木立に包まれて四季の移り変わりを感じながら暮らす豊かさとは、比較にならないと思っています。
といに詰まる落ち葉も、横どいの中にホームセンターなどで売っている網目状のパイプを入れたり、切った金網を縦どいの受け皿に敷いたりすることで、かなり防ぐことができます。ただこれで絶対に詰まらないというわけではありません。時々は様子を見て、雨水があふれているようだったら、早めに落ち葉を取り除いてください。
「雑木の庭」の大きな特徴の一つが、「夏に涼しく冬は暖かい」ということ。大きな落葉樹を家のそばに植えて、実感してみませんか。
久富作庭事務所 久富正哉 (宮崎県)
前のページへ:心地よい庭とくらす ⑤デッキとテラス | 次のページへ:心地よい庭とくらす ⑦テントウムシ大作戦 |