心地よい庭とくらす ⑩常緑高木:庭・ガーデニング・植木の造園業者紹介サイト お庭の匠 

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心地よい庭とくらす ⑩常緑高木

 <庭を引き締める存在>


 住宅地や市街地で「雑木の庭」を考えるとき、常に緑の葉がある常緑高木は、目隠しや見たくないものを遮るという大きな役目があります。また、周囲から庭の空間を独立させたり、落ち葉の拡散防止にも役立ちます。

 樹種としてはヤブツバキやブナ科のシラカシ、アラカシなどをよく使います。葉の密度が適量で目線を遮りやすい上に、葉の形や大きさもバランスが良いので、昔から日本庭園にもよく使われてきました。適切な枝切りをすれば、数十年、樹形を保つことができます。

 ツバキ科のモッコクは葉があまり蜜にならないので、しっかりした目隠しというよりは、ほどほどの遮り感が欲しい場所には適した木です。成長がゆっくりで管理しやすいという特徴もあります。

 秋になると雌株が赤い実を付けるモチノキは、クロガネモチほど成長が早くないので使いたいのですが、なぜか本県では、流通が少ない木です。常緑樹としては珍しく葉のサラサラ感があるシマトネリコも最近よく使われます。ただ、南の島で育つ樹木のため、非常に成長が早いということを考慮して植えましょう。

 「雑木の庭」では落葉樹のことだけを気にしがちですが、常緑高木をどううまく使うかも大事な要素です。落葉樹の四季の変化に対して、一年中変わらない緑のボリュームを、どこにどれだけ配置するかを考えることで、木立感がより引き立ってきます。常緑高木は裏方ですが、なければ庭の空間が締まらない、そんな気がします。

久富作庭事務所  久富正哉  (宮崎県)

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