心地よい庭とくらす ⑪中低木 (上)
<花や実で季節感演出>
高木類で庭の骨格ができたら、中低木をうまく配置して季節感をさらに演出します。春先にきれいな花が咲く木や秋に実が色づく木を組み合わせると、一年を通じて庭をより楽しむことができます。
花の咲く木は種類がたくさんあるので、まずは好みの色や樹形で選んでみてください。成長が悪かったりイメージに合わなかったりしても、高木と違って植え替えることも可能です。周りの木とのバランスを考えながら、いろいろ試されるとよいと思います。
花の色が鮮やかなのはツツジの仲間ですが、ぜひ植えたいのがミツバツツジ。赤やオレンジ、赤紫などの色があり、高さ2~3㍍にもなる落葉樹です。高木の近くで幹の曲がりを生かせば面白味が増します。サラサドウダン・ベニドウダン・キリシマツツジなどもうまく使うと雑木の庭でも違和感がありません。
春に黄系の花が咲くものとして、低木にはヤマブキ・ヒュウガミズキ・トサミズキ・ビヨウヤナギなどがあり、高木の根元やアプローチの近くによく使います。
中木にはクロモジ・アブラチャンなどがあり、高木の幹の傾きと連動させて植えれば、より野性味を出すことができます。花は地味で目立たないのですが、見つけると確かな春の訪れを感じてうれしくなります。
白い花ではアセビやシロヤマブキ・バイカウツギ・ヒメウツギなどがあり、中でも鈴状の小花が房になって付くアセビは、葉の色や大きさ枝振ぶりも高木とよく合います。
久富作庭事務所 久富正哉 (宮崎県)
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