2013/06/06アジアの未来
シンガポールへちょこっと行ってきた。息子が高校の修学旅行で行った国だ。
その頃ろくに口も利かない反抗期だったが
旅行から戻ってすぐ （私が隣の部屋にいることに気付かずに）
「ちょう感動したぁぁぁ～」
と友人に電話で話しているのを聴き
「アイツでも感動することがあるのだ」
と安心したことを記憶している。
それから私にとっていつか行ってみたい国のひとつとなった。
あれから14年の年月がたち
チャンスは訪れた。
シンガポールといえば
言わずと知れた 「マーライオン」。
しかし実物を見て
へっ。
世界三大ざんねんなモニュメントの第３位と聞き
だなっ。
今はなんといっても
スマップのＣＭで有名になったあのホテル
「マリーナ・ベイ・サンズ」の屋上にある天空のプールだろう。
水中からは
高層ビルを水平に眺め
市街地全景を見下ろし
見上げる景色は天空のみ。
水の中にいると
空中に浮かんでいるような不思議な感覚が
辺りでこれみよがしにイチャイチャしている恋人たちを除けば
「ちょう感動したぁぁぁ～」
である。
そしてさらに有名なのは
ホテル内にある巨大なカジノだ。
見学をしていたら
ⅤＩＰルームを発見！
かつてこの部屋で大金を落としていった
大王製紙の御曹司にお礼を言わないといけないよね。
シンガポールは今
高い経済成長を維持し
日本の東南アジア貿易における拠点として注目を浴び
世界各国からの企業誘致に積極的であり
多民族国家でありながら、近隣諸国の信頼があり、民族争いがない
と聞く。
３泊の滞在中
観光、食事、エンターテイメント、ショッピング、サービス、文化、治安の良さを
充分体感できた。
１日の間に何度も突然のスコールに襲われるが
暑いのでどうということはない。
冷え性が治って体調がすこぶる良くなったのでこの国に移住した日本人が結構いる
という話も聞いた。
現地で知り合った日本食レストランオーナーと華僑のお金持ちさんに
この国のリーダーについて聞いてみたら
「私利私欲がなく、リーダーとしての国民の信頼は厚い。」
という返事が返ってきた。
不思議と居心地の良いこの国の国民に支持されているリーダーが
どんな人かもっと知りたくなった。
日本に戻って間もなく
国際交流会議「アジアの未来」の案内が届いた。
シンガポール首相が基調講演をするというので申し込んだら
抽選に当たったので聴きに行った。
リー・シェンロン首相は長身で笑顔の素敵な６１歳。
話し方と表情に勢いがあり、言葉に曖昧さがなく、その切れの良い語り口に
引きまれた。
前首相の息子で
「世界情勢の変化に素早く反応する身軽さとしたたかさは
５００万人あまりの国を先進国に導いた父親ゆずり。
多様な民族を抱える国内をまとめる手腕が評価されている」
と紹介され、
今日に至るまで
外交開放を軸に経済路線をけん引し
世界の自由貿易圏づくりの旗振り役を果たし
米国を引き込み環太平洋の主要国をつなぐ巨大な枠組みを育てた
業績をもつ人だった。
講演では
中国についての質問が出たが
「中国の悪口はどこにいても言うつもりはない。
中国の市場を利用したいと誰も思っている。
平和的な形、建設的で友好的な関係を持ち
恐れることはない多面的に見てよい関係を維持する。」
と述べ、
日本と中国の領土問題についての質問には
解決までに30年の歳月がかかったという、対マレーシアとの領土問題を例に出し
「すべての事はなかなかうまくいかないが平和時にやることが大事。
安定した平和、秩序を維持していきたい。」
と答えた。
この小さな国が今後どのようにアジアをリードしていくのか楽しみになった。
そしてシンガポール滞在中
日本の技術があちこちに浸透している現場を見、
（地下鉄、エレベーター、エスカレーター、電化製品、トイレ便器等）
日本の企業も多く進出しているのを知り、
（ユニクロ、タケダ、キッコーマン、ポッカ、ソニー、リコー、フジ、一風堂のラーメンもすごい！）
今後のアジアの未来は日本の未来でもあり
繋がる思い,繋がる未来の新時代に向けて
「和をもって尊しとなす。」
だと思った。
話は戻るが
ろくに口も利かなかった息子のおみやげは
「シャネルの５番」だった。 うふ。
アイツが
何に感動したのかを聞きそびれたが
今、その息子は
シンガポールに住んでいる。
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